ルジャンドルの読書記録

ルジャンドル(Twitter id:nattogohan_suki)の、読書メモを記します。

読書記録:何をもって「法」なのか『問いかける法哲学』

この本を読みました。 問いかける法哲学 作者: 出版社/メーカー: 法律文化社 発売日: 2016/09/20 メディア: 単行本 この本では、「臓器売買ってなんでダメなの?」とか、「女性専用車両は差別じゃないのか?」とか、「同性婚を認めるかどうか」とかいった、…

読書記録:人間関係をちゃんとやるための敬語『ちゃんと話すための敬語の本』

この本を読みました。 ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書) 作者:橋本 治 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2005/01/01 メディア: 新書 ↓の記事で挙げられていたので買って読んでみました。 このアニメ絵の児童書がすごい 〈番外編〉中学受験…

読書記録:『乳と卵』

この本を読みました。 乳と卵 (文春文庫) 作者:川上 未映子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2010/09/03 メディア: 文庫 この文庫には、表題作「乳と卵(ちちとらん)」と「あなたたちの恋愛は瀕死」の二篇が含まれています。表題作は芥川賞をとったやつ…

読書記録:「いま」で評価する『チョンキンマンションのボスは知っている』

この本を読みました。 チョンキンマンションのボスは知っている: アングラ経済の人類学 作者:小川 さやか 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2019/07/24 メディア: 単行本 この本は香港でのフィールドワークの記録で、タンザニアの商人が香港でつくっているコ…

読書記録:ちゃんと話を聞く『聞く力』

この本を読みました。 聞く力―心をひらく35のヒント 作者:阿川 佐和子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/01/20 メディア: 新書 先日、有名な人の対談の進行役を務めました。あまりうまく立ち回れなかったなぁ、という反省があったところ、家にこの本…

視聴記録:知らないうちに悪くなる『ネオンデーモン』

この映画を観ました。 gaga.ne.jp この映画の監督、N. W. レフンの作品が好きな友人がおり、彼はこの監督の作品を「意味のない長いワンシーンがたくさんあって、映画の最後に人が死ぬような劇的なことが起こって終わる」と説明していました。かなり簡潔な説…

視聴記録:いきいき軍人ライフ『彼らは生きていた(原題:They shall not grow old)』

この映画を観ました。 kareraha.com この映画は、第一次世界大戦に参加した英国軍兵士に着目したドキュメンタリーです。画面は、戦争当時撮影されたモノクロ映像を着色した映像と当時の広告ビラや戦場の写真を中心としていて、ほとんどの音声は退役軍人のイ…

読書記録:『しないことリスト』

この本を読みました。 しないことリスト (だいわ文庫) 作者:pha 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2018/09/12 メディア: 文庫 この本は元「日本一のニート」phaさんが、処世術みたいなものをまとめた本です。結構昔に買って本棚に差しっぱなしだったんです…

読書記録:おれは げんきだぜ『のはらうたⅠ』

この本を読みました。 のはらうた (1) 作者:くどう なおこ 出版社/メーカー: 童話屋 発売日: 1984/05/05 メディア: 文庫 この本は、「くどうなおことのはらみんな」の著作です。すこし前に、かまきりりゅうじという偉大な詩人の詩に再会しました。この『のは…

読書記録:聖域みたいな感じ『冥土めぐり』

この本を読みました。 冥土めぐり (河出文庫) 作者:鹿島田 真希 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/01/07 メディア: 文庫 今回読んだ『冥土めぐり』には、「冥土めぐり」、「99の接吻」という二つの短編が収録されています。表題作「冥土めぐり」…

読書記録:直視する『累犯障害者』

この本を読みました。 累犯障害者 (新潮文庫) 作者:山本 譲司 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2009/03/30 メディア: 文庫 ある日、満期出所を目前にした受刑者の一人が言った。 「山本さん、俺たち障害者はね、生まれたときから罰を受けているようなもんな…

読書記録:ひとくちに出版と言いましても…『学術書の編集者』

この本を読みました。 学術書の編集者 作者:橘 宗吾 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会 発売日: 2016/07/23 メディア: 単行本 この本は、こちらのブログで紹介されていて知った本です。 rmaruy.hatenablog.com そろそろ無職も終わって仕事に戻るので、仕…

読書記録:論理は弱者の悲鳴にすぎない『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』

この本を読みました。 論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書) 作者:香西 秀信 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2007/02/16 メディア: 新書 インターネットでは、毎日のように「論理的な」話者が、他者の「非論理的」な言説にケチをつけています。い…

読書記録:満足するために生きている『子どものための哲学対話』

この本を読みました。 子どものための哲学対話 (講談社文庫) 作者:永井 均,内田 かずひろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/08/12 メディア: 文庫 この本の著者の永井均先生にちょっと興味があって、本屋にこの本があったので買ってみました。子ども向…

読書記録:自己ベスト『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』

この本を読みました。 完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫) 作者:若林 正恭 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー 発売日: 2015/12/25 メディア: 文庫 身につまされる話だったり、もやもやしていたものを言語化してくれたりと、エ…

読書記録:理解のしかた・とらえかた『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

この本を読みました。 目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書) 作者:伊藤 亜紗 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2015/04/16 メディア: 新書 この本は、美学をバックグラウンドとする著者によって、視覚障害者へのヒアリングにもとに書かれた…

視聴記録:民主主義について『クマと民主主義』(HBCテレビ)

このドキュメンタリー番組を見ました。 www.hbc.co.jp (2020年1月14日、HBCのサイトで配信されているのでリンク張り替えました。3月31日まで見られるそうです) 年末、実家の北海道に帰っていました。前回のブログに書いた本(『選挙制を疑う』)を読んでい…

読書記録:脱構築の実践『結婚式のデモクラシー』

この雑誌から「結婚式のデモクラシー」という記事を読みました。 現代思想2019年6月号 特集=加速主義――資本主義の疾走、未来への〈脱出〉 作者:千葉 雅也,河南 瑠莉,S・ブロイ,仲山 ひふみ,木澤 佐登志 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2019/05/27 メディ…

読書記録:政権交代とかいう次元ではなくて『選挙制を疑う』

この本を読みました。 選挙制を疑う(サピエンティア) (サピエンティア 58) 作者:ダーヴィッド・ヴァン・レイブルック 出版社/メーカー: 法政大学出版局 発売日: 2019/04/05 メディア: 単行本 これは、デビット・ライスさん(Twitterid:@RiceDavit)が読んで…

読書記録:現象としての他者理解『なぜ心を読みすぎるのか』

この本を読みました。 なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学 作者:唐沢 かおり 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2017/07/27 メディア: 単行本 いい人・わるい人、いい行い・わるい行いという判断は、社会生活をやっていると絶えず付…

読書記録:誠実な議論を『〈現在〉という謎』②

今回も、この本を読んだ記録です。 〈現在〉という謎: 時間の空間化批判 作者:森田 邦久 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2019/09/27 メディア: 単行本 前回のブログでも紹介していますが、この本では物理学者の谷村省吾先生と、哲学者の佐金武先生、青山…

読書記録:ベルクソンの時間論『〈現在〉という謎』①

この本を読みました。今回の記事は、この本の6章(平井靖史)で語られるベルクソンの時間論について、内容のメモと感じたことを書いています。 〈現在〉という謎: 時間の空間化批判 作者:森田 邦久 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2019/09/27 メディア: …

読書記録:哲学のこと『心にとって時間とは何か』

この本を読みました。 心にとって時間とは何か (講談社現代新書) 作者:青山 拓央 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/12/11 メディア: 新書 この本を読んだ動機は、この本そのものに興味があったからではなく、『〈現在〉という謎 時間の空間化批判』とい…

読書記録:モノそのものの権利 『環境の倫理』③

今回もこの本について書きます。 環境の倫理〈上〉 作者: 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 1993/04 メディア: 単行本 前々回は動物の権利について、前回は未来世代の権利についての章を読みましたが、今回は「自然物の権利」について書いてある章を読みま…

読書記録:ヒトのクローニング、何が悪い『クローン、是か非か』

この本を読みました。 クローン、是か非か 作者: 出版社/メーカー: 産業図書 発売日: 1999/08 メディア: 単行本 とはいっても、全部は読んでいません。 『利己的な遺伝子』で有名なリチャード・ドーキンス博士の論考「クローニング、何が悪い」を読むために…

読書記録:“本物の”オタク『インターネット2』

この本を読みました。 nyalra.booth.pm この本は、にゃるらさん(Twitter id:@nyalra)と岩倉文也さん(Twitter id:@fumiya_iwakura)が中心となってつくった同人誌です。INTERNET2のことと、本物のオタクのことが書いてあります。すべての記事をオタクが書…

読書記録:一対一の関係 『十七八より』『未熟な同感者』『最高の任務』

『群像2019年12月号』より「最高の任務」(乗代雄介)を読みました。「最高の任務」は、乗代雄介さんの「十七八より」、「未熟な同感者」と地続きのお話です。「最高の任務」があまりにもよく、三作品をつい読み返してしまいました。 群像 2019年 12 月号 […

読書記録:未来世代の権利 『環境の倫理』②

今回もこの本を紹介します。 環境の倫理〈上〉 作者: 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 1993/04 メディア: 単行本 前回は、この本の「動物倫理」の話題について書きました。今回はこの本から、「未来世代への責任」の話題について書きます。 人類の活動が…

読書記録:動物のことをどう考えたらいいだろうか 『環境の倫理 上』①

今回はこの本を紹介します。 環境の倫理〈上〉 作者: 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 1993/04 メディア: 単行本 僕がこのブログを書き始めた理由にはいろいろあるんですが、その一つに、次のブログにあこがれたからというのがあります。 davitrice.haten…

読書記録:『サンセットよろしく』

今回は、同人誌『サンセットよろしく』(目元付近)を紹介します。 この本は、城戸さん(Twitter id: @sh_s_sh_ma)に言えば買えます。インターネットの面白い人が書いた小説が集められた同人誌です。 『サンセットよろしく』の通販を開始します。DMか、hoga…