ルジャンドルの読書記録

ルジャンドル(Twitter id:nattogohan_suki)の、読書メモを記します。

読書記録:人生の目標『DIE WITH ZERO――人生が豊かになりすぎる究極のルール』

 この本を読みました。

  死ぬときに資産を残しても仕方がないよ、というコンセプトに基づいて書かれた本。

要約すると……お金を貯めることを無条件に美徳としている人が多いが、お金と引き換えに得られるものの便益を軽視していてもったいない。お金の価値は若いほど高く、死ぬときにいくらあってもしょうがないし、死ぬときにお金が残るということはそれを稼ぐ分だけタダ働きしたということだ。子どもにお金を残せると考えるかもしれないがそうだとしても子どもが若いうちに渡した方がその子にとっていい。頑張って資産がゼロになるように調整して死にましょう......というような内容。

 以前読んだ『〈効果的な利他主義〉宣言!』の考え方と通じていました。あちらは慈善活動の便益を最大にすることが目的だったけど、こちらは人生の便益を最大にすることが目的。この本の、もし慈善活動に精を出したいなら...という段落では、『〈効果的な利他主義〉宣言!』とか前回の記事と同じようなことを言っていました。

 

 やっぱり自己啓発本はやる気が出るなぁという感想だったんですけども、やっぱり活躍するのは、投資とか経済分野に明るい人間なのだなぁ...という感想を抱きました。単純にそういう仕事を持っている人は収入が多いというだけでなく、何かの目的に金融の考え方を応用するのが、やっぱり効率的なようです。
 『〈効果的な利他主義〉宣言!』では、投資の仕事をしている人が慈善活動をしたいなぁと思ったとき、慈善団体がどういう活動をしてるのかがわからないことが問題だと考えて、慈善団体を評価できるWebサイトをつくった、というエピソードが紹介されていました。この本『DIE WITH ZERO』を書いたのも、投資を主な仕事にして成功した人です。
 でもそんなことは当然で、お金があればできることが多いから、お金を集める方法を知っているほうが強いに決まっているんですよね。で、お金が余るほどあれば、そのお金の効率の良い使い方を考えるようになりやすいし。自分はお金が余るほどないのでそんなに真剣に考えることはなかったですが、お金の使い方は割合の問題でもあるので、平民でも応用できることがミソですね。ちゃんと自分にとって役に立つ情報になっている。
 『〈効果的な利他主義〉宣言!』と『DIE WITH ZERO』は方法論がかなり似通っているんですが、どちらにも共通する大切なことは「目標を定めること」「測りにくいこともちゃんと測ろうと努力すること」です。成功のためにはこれだけでよさそうです。しかしどちらもよく考えるとそう簡単なことではありません。

 ところで、僕の人生の目標は「物知りおじさんになること」なのですが、その目標を達成するためにはいろいろなことを知る必要があります。いろいろな知識を得るには本で、本といえば出版社だろ、と思って出版社に就職しました。毎日かなりの文字を読むことになるし、新しい本を作るにはいろいろ調べることがあるので物知りおじさんに近づきやすい環境です。正直言って、今思えば出版社に入らなくても自分で勝手に勉強すればいいんですが、ある程度環境に強制されたかったのと、あとやっぱ、編集者って肩書きは物知りっぽいので満足しています(最悪)。とはいえ、現在勤めている会社は自分の興味ベースで仕事させてもらえて良い感じですが、別にすべての出版社がそうなわけでなかったです。これは就職先を適当に選んだツケですが、自分の場合は一回失敗しないと学べないので仕方なかったです。あと、今の会社は新卒では入れてくれなかったので、結果オーライです。
 自分のことを考えると、あとは「なにをどれくらい知るか」を決めておけば人生の目標は確定しますが、自分はここまででいいと決めるのはもうその時点で物知りおじさんではないので(物知りおじさんはその定義の中に、新しい知識を摂取し続けることが含まれていなければならない)、決まりません。「どのくらい知ったら物知りおじさんLvいくつ」とかは決めておいてもいいかもしれない。

 

おわりです。