ルジャンドルの読書記録

ルジャンドル(Twitter id:nattogohan_suki)の、読書メモを記します。

哲学

読書記録:極度の貧困を解決するために今すぐ寄付〈しなければならない〉理由 『あなたが救える命』『あなたが世界のためにできるたったひとつのこと』

これらの本を読みました。 あなたが救える命: 世界の貧困を終わらせるために今すぐできること 作者:ピーター シンガー 発売日: 2014/06/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ …

読書記録:根拠に基づいて決める『〈効果的な利他主義〉宣言! 慈善活動への科学的アプローチ』

この本を読みました。 〈効果的な利他主義〉宣言! ――慈善活動への科学的アプローチ 作者:ウィリアム・マッカスキル 発売日: 2018/11/02 メディア: 単行本 この本は以下のブログ記事で紹介されており、実際に見ておきたいと思ったので読みました。 読書メモ:…

読書記録:『現実的な左翼に進化する』

この本を読みました。 現実的な左翼に進化する 進化論の現在 (シリーズ「進化論の現在」) 作者:ピーター・シンガー 発売日: 2003/02/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) こちら↓の記事で紹介されていたので、読んでみました。 s-scrap.com 前回記事(『農…

読書記録:《借り》とうまく付き合う『借りの哲学』

この本を読みました。 借りの哲学 (atプラス叢書06) 作者:ナタリー・サルトゥー=ラジュ 発売日: 2014/02/27 メディア: 単行本 この本は小川さやか『「その日暮らし」の人類学』(光文社新書)で引かれていたものです。贈与・交換・貸し・借り、という概念に…

読書記録:「なかったこと」にすればいい『ひれふせ、女たち:ミソジニーの論理』

この本を読みました。 ひれふせ、女たち:ミソジニーの論理 作者:ケイト・マン,Kate Manne 発売日: 2019/11/20 メディア: 単行本 「ミソジニー」という比較的新しい概念があります。日本語では「女性嫌悪」と訳されていて、読んで字のごとく、「女性が嫌いな…

読書記録:それをしてどうなるんですか?と聞かれて答に窮するようなことはやめませんか?『レイシズム』

この本を読みました。 レイシズム (講談社学術文庫) 作者:ルース・ベネディクト 発売日: 2020/04/10 メディア: 文庫 …私たちが傲慢無知であったり、あるいは恐慌に煽られて平常心を失うとき、分かりやすくて耳に心地よい物語がそっと忍び入る。自暴自棄にな…

読書記録:最初で最後の倫理学の本『ふだんづかいの倫理学』

この本を読みました。 ふだんづかいの倫理学 (犀の教室Liberal Arts Lab) 作者:昌宏, 平尾 発売日: 2019/03/12 メディア: 単行本 DavitRiceさんのブログで書評されていた本で、タイトルが頭に入っていたところ本屋にいったらあったので買ってしまいました。…

読書記録:何をもって「法」なのか『問いかける法哲学』

この本を読みました。 問いかける法哲学 作者: 出版社/メーカー: 法律文化社 発売日: 2016/09/20 メディア: 単行本 この本では、「臓器売買ってなんでダメなの?」とか、「女性専用車両は差別じゃないのか?」とか、「同性婚を認めるかどうか」とかいった、…

読書記録:満足するために生きている『子どものための哲学対話』

この本を読みました。 子どものための哲学対話 (講談社文庫) 作者:永井 均,内田 かずひろ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/08/12 メディア: 文庫 この本の著者の永井均先生にちょっと興味があって、本屋にこの本があったので買ってみました。子ども向…

読書記録:脱構築の実践『結婚式のデモクラシー』

この雑誌から「結婚式のデモクラシー」という記事を読みました。 現代思想2019年6月号 特集=加速主義――資本主義の疾走、未来への〈脱出〉 作者:千葉 雅也,河南 瑠莉,S・ブロイ,仲山 ひふみ,木澤 佐登志 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2019/05/27 メディ…

読書記録:誠実な議論を『〈現在〉という謎』②

今回も、この本を読んだ記録です。 〈現在〉という謎: 時間の空間化批判 作者:森田 邦久 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2019/09/27 メディア: 単行本 前回のブログでも紹介していますが、この本では物理学者の谷村省吾先生と、哲学者の佐金武先生、青山…

読書記録:ベルクソンの時間論『〈現在〉という謎』①

この本を読みました。今回の記事は、この本の6章(平井靖史)で語られるベルクソンの時間論について、内容のメモと感じたことを書いています。 〈現在〉という謎: 時間の空間化批判 作者:森田 邦久 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2019/09/27 メディア: …

読書記録:哲学のこと『心にとって時間とは何か』

この本を読みました。 心にとって時間とは何か (講談社現代新書) 作者:青山 拓央 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/12/11 メディア: 新書 この本を読んだ動機は、この本そのものに興味があったからではなく、『〈現在〉という謎 時間の空間化批判』とい…

読書記録:モノそのものの権利 『環境の倫理』③

今回もこの本について書きます。 環境の倫理〈上〉 作者: 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 1993/04 メディア: 単行本 前々回は動物の権利について、前回は未来世代の権利についての章を読みましたが、今回は「自然物の権利」について書いてある章を読みま…

読書記録:ヒトのクローニング、何が悪い『クローン、是か非か』

この本を読みました。 クローン、是か非か 作者: 出版社/メーカー: 産業図書 発売日: 1999/08 メディア: 単行本 とはいっても、全部は読んでいません。 『利己的な遺伝子』で有名なリチャード・ドーキンス博士の論考「クローニング、何が悪い」を読むために…

読書記録:未来世代の権利 『環境の倫理』②

今回もこの本を紹介します。 環境の倫理〈上〉 作者: 出版社/メーカー: 晃洋書房 発売日: 1993/04 メディア: 単行本 前回は、この本の「動物倫理」の話題について書きました。今回はこの本から、「未来世代への責任」の話題について書きます。 人類の活動が…

読書記録:問題点がおんなじだ!『女性・その性の神話』

今回はこの本を紹介します。 女性・その性の神話 (1982年) 作者: 青木やよひ 出版社/メーカー: オリジン出版センター 発売日: 1982/04/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 先日読んだ論文「反出生主義と女性」(橋迫瑞穂、現代思想2019年11月号…

読書記録:結局どうするべきなんだろう 『異議あり!生命・環境倫理学』

今回はこの本を紹介します。 異議あり!生命・環境倫理学 作者: 岡本裕一朗 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版 発売日: 2002/12 メディア: 単行本 クリック: 16回 この商品を含むブログ (8件) を見る 先日、『現代思想2019年9月号』を読みました(過去記事)。…

読書記録:抽象的な倫理学~権利とか責任とか 『現代思想 2019年9月号 倫理学の論点23』②

今回もこの雑誌を紹介します。 現代思想 2019年9月号 特集=倫理学の論点23 作者: 岡本裕一朗,奥田太郎,池田喬,長門裕介,福永真弓,石井ゆかり,武田砂鉄,重田園江 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2019/08/27 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 「…

読書記録:身近なことの倫理学~生とか死とか暮らしとか 『現代思想 2019年9月号 倫理学の論点23』①

今回はこの雑誌を紹介します。 現代思想 2019年9月号 特集=倫理学の論点23 作者: 岡本裕一朗,奥田太郎,池田喬,長門裕介,福永真弓,石井ゆかり,武田砂鉄,重田園江 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2019/08/27 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 現…

読書記録:「仕事」ってなんだと思う?『働くことの哲学』

今回はこの本を紹介します。 働くことの哲学 作者: ラーススヴェンセン,Lars Svendsen,小須田健 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売日: 2016/04/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 私が本書でめざしているのは、読者がこれまで見のが…

読書記録:反出生主義特集―哲学的議論の入り口として『現代思想 2019年11月号』

今回はこの雑誌を紹介します。 現代思想 2019年11月号 特集=反出生主義を考える ―「生まれてこない方が良かった」という思想― 作者: 森岡正博,戸谷洋志,D・ベネター,鈴木生郎,島薗進,小泉義之,加藤秀一,木澤佐登志 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2019/10/2…

読書記録:九鬼周造の哲学 『いきの構造』

今回はこの本を紹介します。 九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) 作者: 九鬼 周造,大久保 喬樹 出版社/メーカー: 角川学芸出版 発売日: 2011/02/25 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 九鬼周造という…

読書記録:“Make Kin Not Babies!(赤ん坊でなく類縁関係をつくろう!)” ハラウェイの思想

今回は『現代思想 2017年12月号』の中から、「人新世、資本新世、植民新世、クトゥルー新世 類縁関係をつくる(ダナ・ハラウェイ著/高橋さきの訳)」(p.99~109)という論文を紹介します。2015年に発表された論文の翻訳です。 現代思想 2017年12月号 人新…

読書会レポート:前提曖昧にして議論ウンコとなる 『ウンコな議論』

今回もこの本を紹介します。 ウンコな議論 (ちくま学芸文庫) 作者: ハリー・G.フランクファート,Harry G. Frankfurt,山形浩生 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/11/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 読書会のテーマ本 2017年6月2…

読書記録:『ウンコな議論』

今回はこの本を紹介します。 ウンコな議論 (ちくま学芸文庫) 作者: ハリー・G.フランクファート,Harry G. Frankfurt,山形浩生 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2016/11/09 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 虎の威を借るキツネのように…

読書記録:権謀術数を駆使する小学5年生たちの「戦争」 『よいこの君主論』

今回はこの本を紹介します。 よいこの君主論 (ちくま文庫) 作者: 架神恭介,辰巳一世 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2009/05/11 メディア: 文庫 購入: 18人 クリック: 217回 この商品を含むブログ (85件) を見る 小学生のための「君主論」 この本はかの…