ルジャンドルの読書記録

ルジャンドル(Twitter id:nattogohan_suki)の、読書メモを記します。

読書記録:『しないことリスト』

 この本を読みました。

しないことリスト (だいわ文庫)

しないことリスト (だいわ文庫)

  • 作者:pha
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 文庫
 

  この本は元「日本一のニート」phaさんが、処世術みたいなものをまとめた本です。結構昔に買って本棚に差しっぱなしだったんですが、なんとなく読んでみました。phaさんの様子はテレビとかweb記事で見聞きしていたので、おさらいみたいなつもりで読めたのですが、今の自分の考え方と合致している部分が多かったです。ネットのニート文化は合理的で面白い部分が多く、自分はしっかり影響を受けているんだな、ということが良くわかりました。

 この本のまえがきで、「大切なこと」として以下の2点が紹介されていました。

1.他人や世間の評価で行動を決めるのではなく、自分なりの価値観を持つこと

2.他人や世間のペースについていこうとせず、自分のペースを把握すること(p.10) 

  本文では、この2点を達成するために具体的にどう考えればいいのか、ということが説明されていきます。引用した2点は大切な言葉として頭にいれておきたいなと思います。

 また、ドイツの軍人ハンマーシュタインの言葉が本書で引かれていて、それもここに引いておきます。

 ”有能な怠け者は指揮官にせよ。有能な働き者は参謀にせよ。

 無能な怠け者にはルーチンワークをやらせろ。無能な働き者には一切の責任を与えるな”(p.69-70) 

土俵探し

 もう一つ印象的だったのは次の文章です。

「僕が必死にがんばってやっていることを、みんなはまったく苦労とも思わずこなしている。そういう人たちと同じ土俵で闘っても負けるだけだしバカバカしい」

 そう思って会社を辞めた。(p.97) 

  「負けるだけだしバカバカしい」というところについて、最初、「あれ、勝ちたいって気持ちがあるのかな?」と思ったんですけど、よくよく考えると「負けるのはいやなだけ」だろうという方向へ考えが進みました。勝ちたくもないフィールドで自動的に闘いがはじまって負けてしまうのはいや、という感覚にはかなり共感できました。本書の「しないことリスト」のなかには「一ヵ所にとどまらない」「同じ土俵で戦わない」というのも挙げられていますが、通ずるものがあります。

 「戦ってやってもいい場所探し」は重要ですが、結局見つけられなかったり妥協したりすることが大半でしょう。ここ1ヶ月くらい転職活動をしてみて、働く場所を変えることのハードルは個人的にはだいぶ下がりました。それがいいことか悪いことかは今の段階ではわからないし、仕事場を戦場にする必要があるかどうかも考える必要がありますが、今自分が置かれた状況でこの本を読んだのは良かったです。

 

以上です。