ルジャンドルの読書記録

ルジャンドル(Twitter id:nattogohan_suki)の、読書メモを記します。

視聴記録:知らないうちに悪くなる『ネオンデーモン』

 この映画を観ました。

gaga.ne.jp

 この映画の監督、N. W. レフンの作品が好きな友人がおり、彼はこの監督の作品を「意味のない長いワンシーンがたくさんあって、映画の最後に人が死ぬような劇的なことが起こって終わる」と説明していました。かなり簡潔な説明でしたが興味を惹かれたので観てみました。

 「美しさ」をめぐる話で、分類ではサイコホラーだそうです。あらすじを書こうと思えば3行くらいで書けてしまうようなストーリーでした。でも全編を通して、映像で描かれていることの裏でなにか悪いことが進行している感じがずーーーーっとあって、かなり不安をかきたてる映画でした。こういう起伏が少なくて余韻の残る、ある意味煮え切らない(?)作品は好きです。作中で描かれているシーンは一つ一つ気持ち悪いんですが、でも美しいのです。音楽と画面の構成(色とか物の位置とか)きれいだな~と思いながら見続けていました。つい最近読んだ小説『冥土めぐり』(過去記事)でも似たような感覚を覚えました。

 僕の友人の言うとおり、「意味のない長いワンシーン」がたくさんあるのですが、そのシーンが変わるとなにか悪いことが起こっていました。その長いシーンの裏で、気がついたら悪くなっている、というのを繰り返して、結末の破滅的な状況につながっていきます。

 見る人を選ぶと思うし、興行的にもあまり成功してないみたいですが、「最近見た面白かった映画は?」って聞かれたら、僕はこれを答えます。

 

以上です。