この本を読みました。
老人は基本的に何の役にも立たないし、基本的には迷惑なので財産の処理だけして早く死んでしまったほうがいいということが書いてありました。タイトルが「70歳からの世界征服」なのに、それはムリだからため込んだお金を使って若い人に代わりに世界征服をさせなさいと書いてあったりします。ただ、老人はとりあえず死ね、と言った乱暴な論ではないことは読めばわかると思います。
いくつかおもしろいことが書いてあったのでメモしておきます。
いまは大学に金がないので、「生涯学習」という名目で定年退職した人を受け入れて授業したりしていますが、本当にナンセンスです。はっきり言って迷惑。教える側にしても、若いからこそ「今はバカだけど伸びるかもしれない」」と思えるから教えようという気になる。でも、老人なんて衰えていく一方だし、死ぬだけです。(p.19、1章―死に方入門 中田考)
今の日本にはあまり居候というのはいませんが、エジプトだと、家の中にわけのわからない人がいるのは当たり前だったりします。親族というわけでもなく、誰もその人が誰だかよく知らないけれど、一緒にご飯食べたりしている。夜も床の上で寝ていたりする。(p.26、同上)
実際あると嫌だと思いますが、こういうの一回体験してみたい。
「人はいつから老人になるのでしょう」という問いに対して、何歳で老人になる、と決めてふるまうのがいいという文脈で
私は2児の父ですけど、内心「自分が2児の父って何のこと?」みたいな感覚は、今でもあります。それでも日曜日には「2児の父」になりきって、子どもたちを遊園地に連れていきます。老人も同じだと思います。「自分が老人? まじ?」みたいな感覚があっても、頑張って老人をやる。(p.142、矢内東紀の回答)
自分も、全体的にそう思っています。「自分が叔父? まじ?」「自分が社会人? まじ?」「自分が30歳? まじ?」「自分が結婚? まじ?」。かっこ悪いのは老いをはじめとする現実を受け入れないこと、と書いてあって、そうだなぁ、受け入れないとなぁ、しかしなぁ...と思いました。
「下流老人になってしまいました。もう生きる希望がありません」という問いに対して、何も希望がないならYouTubeを始めてみては?という文脈で
奈良公園の鹿は観光客から鹿せんべいをもらって生きていますよね。それの人間バージョンがYouTubeで可能になります。(p.164、 矢内東紀の回答)
過激な記述が目を引きますが、言っているのは、執着せずに足るを知れ、というような感じのことで、ちょっと角度をずらした自己啓発本という感じでした。
おわりです。